会話形式で楽しく学ぶ人事労務管理の基礎講座
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文書作成日:2026/10/08
パートタイマーを正社員に登用した際の年次有給休暇の取扱い

10月よりパートタイマーを正社員に登用したときの年次有給休暇(以下、「年休」という)の取扱いについて、疑問が生じたので社労士に相談することにした。

 昨年入社したパートタイマーについて正社員にならないか打診したところ、本人も正社員で頑張りたいという話になり、10月より正社員に登用することとなりました。そこで、労務管理上、変更が必要な事項を整理しているところですが、年休の取扱いについて迷った点があるため、教えてください。

 なるほど。具体的にはどのようなご質問でしょうか?

 まずは年休付与のタイミングについてです。正社員は毎年4月1日に年休を付与していますが、パートタイマーは入社日を基準に付与しています。今回、正社員に登用するパートタイマーは、2025年5月1日に入社し、その半年後である2025年11月1日に初年度の年休を付与しています。2026年10月1日より正社員になったので、正社員の就業規則を適用して、次回は登用した半年後の2027年4月1日に年休を付与すればよいのでしょうか?

 2027年4月1日の付与では、問題がありますね。このパートタイマーの方は、2025年11月1日に年休を付与していますので、付与する際の出勤率を満たした場合、遅くともその1年後の「2026年11月1日」には年休を付与する義務があります。その上で、正社員就業規則に基づき、2027年11月1日に付与する年休を前倒しで2027年4月1日に付与することになります。

 次の付与が「2027年4月1日」では、年休を付与する期間が1年以上、空いてしまうということですね。

 その通りです。

 それでは、2026年11月1日に何日付与すればよいのでしょうか。このような正社員登用を想定した規定にはなっていないため、どのように考えたらよいのか困っています。

 確かに、現行の就業規則をどのように当てはめて考えるのか、難しいですね。勤続期間にはパートタイマーの期間も含めて取り扱う必要がありますので、2026年11月は勤続としては2年度に当てはまります。そして、2027年4月は3年度に当てはまりますので、この年度における付与が必要です。

 なるほど。考え方がわかりました。ちなみに、年休の残日数はそのまま移行すればよいのでしょうか?

 パートタイマーの時の1日の所定労働時間は何時間でしたか?

 1日の所定労働時間は6時間で、年休は5日と3時間余っています。ちなみに正社員の所定労働時間は8時間です。

 所定労働時間が「6時間」から「8時間」に変更になるということですね。日数自体は変更なく、正社員登用後に取得した1日の年休は8時間として扱うことになります。時間単位の部分は所定労働時間の変動に比例して、時間数が変更となるため、5日と4時間(=3時間×8時間÷6時間)になります。

 非常に複雑なので確認してよかったです。また取扱いに困る事項が出てきましたら相談します。

>>次回に続く



 年5日の取得義務については、年10日以上の年休が付与されているパートタイマーも対象になります。また、今回のように付与日を前倒しした場合、年5日の取得義務は、2026年11月1日からの1年間と、2027年4月1日からの1年間で、一部、期間の重複が生じます。この場合、それぞれの期間で年5日の年休を取得させることが原則になります。なお、重複が生じるそれぞれの期間を通じた期間の長さに応じた日数(比例按分した日数)をその期間に取得させることも認められています。

■参考リンク
厚生労働省「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。



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